第10回 能登半島珠洲トライアスロンレース四方山話

報告者:藤井さん
ちょっと編集:小松
コメント:HVメンバー
レース開催日:99年8月22日
HV参加者

プロローグ 集合

8月20日金曜日の夜、みんなは仕事を終え、小松さん宅に21:45の集合予定であった。

小生(車内から携帯で):「勘市さんいらっしゃいますか?」
勘市さんの奥さん:「まだ帰ってませんけど…」
小生 : 「もうすぐそちらに着くんですが何時くらいに帰りますかね?(仕事が長びいているのかなあ?)」
奥さん:「さっき会社から走って帰ってくるって連絡ありましたけど、何か?
小生: 「(何かって)いや、8時半にそちらに伺うことで約束してるんですけど、珠洲に行く…」
奥さん:「珠洲は来週ですよね?」
小生: 「えっ!今週末です」
奥さん:「主人は来週だと行ってましたけど…」
小生: 「えっ?ちょっと待ってください。確かめてかけ直します」

私は一瞬、間違っていたら会社になんて言おうと不安にかられながら
車を止め荷物の中から大会要綱を出し日付を確かめた。
ふー。やっぱり今週末だ。再び電話を入れる。

小生: 「もしもし、やっぱり今日ですよ」
奥さん:「そうみたいですね…」
小生: 「とりあえず、もうそちらにつきますから待たせてください」

勘市さんの家の前で待っていると15分ほどして勘市さんがリュックを背負い、ランニング姿で帰ってきた。

小生: 「勘市さん、勘市さん」
勘市さん:「?」
小生: 「勘市さん、今日ですよ出発」
勘市さん:「?」

勘市さんはしばらくただ私を見つめるばかりで返事が返ってこない。
そしてようやく、事態を理解したのか、少しして
小生: 「行けますか?」
勘市さん:「あー」 (その時 勘市さんは。。。

私は携帯でみんなに集合を遅らせてもらうよう電話をしまくった。
勘市さんの家では奥さんと息子さん家族総出で支度の手伝い。
結果、小松さん宅到着は22時45分となり、出発は22時50分と予定の50分遅れでのスタートとなった。
それにしても何はともあれ帰ってきてくれて良かった(とほっ!)。

勘市さんコメント


往きの行程(記録)
22:50 小松家発
23:50 国立インター・オン。 途中、談合坂、諏訪湖で休憩。
4:00 奥飛騨温泉郷「道の駅」到着。仮眠。
6:00 出発。 途中、富山から小杉まで高速乗る。
11:20 氷見市、羽咋市を抜け、珠洲の受付会場着。 受付及び競技説明を受け、食事へ。


レースレポート

8月22日(日) 天気 曇り時々雨 波 高し(寒冷前線のいたずら)
Aタイプ スイム2.5キロ、バイク99.4キロ、ラン23.3キロ
Bタイプ スイム1.5キロ、バイク49.7キロ、ラン10キロ
完走率 A,Bタイプあわせ90%
大石さんコメント

前日の天気予報では、「曇り時々晴れ」のまずまずの天気。かえって涼しそうでいいなあと思っていた天候が、レース当日 スタート時間に合わせるように急変。
風が出て、海も大荒れ。スタート時は雨こそ降ってなかったが、皆、目の前の大波を前にそれぞれに思いを巡らせる。
そして、浜辺で私(藤井)と並んだみんなは私に「大丈夫?無理しないほうがいいんじゃない」と口には出さないまでもみんなそんな(笑)顔をしていた。
というのも2ヶ月前、みんなで海の公園でスイムの練習会が会った時、波もないのに私一人溺れそうな姿をみんなが見ていたからだ。
しかし私は少なからず昨年よりはマシという自信を持っていた。
そして、制限時間も20分延長され、何とかなると焦らずにスタートした。

SWIM

スイム

スタートしてまず300mほどまっすぐ沖へ向かう。大波と真っ向からの対決だ。
クロールで泳ぐと波のせいで前が見えない。方向がわからない。
さらに、どうも潮の流れが沖斜め右前方より押し寄せてくるようで、結構泳力のある人でも左側に大きく流され、リタイアした人もいる。
300m地点に至るまで既にかなりの人があちらこちらのゴムボートにエスケープしていた。定員オーバー気味のボートを見ながら私はふと芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の話を思い浮かべた。
私が助けを求めたら彼らはちゃんと乗せてくれるだろうか?

ロープづたいに戻る人、ロープにしがみついたまま、動かない人、そんな光景も見ながら、最初の300m、私はなんとか平泳ぎも交えながらクリアした。
ちなみに海に入ったところで結局大波の前に泳ぎ出せずに戻ってきた女性もいた。

300mの後は直角に右折。浜に平行して約950mだ。
ここまでくれば波も浜辺ほどはないが、おおきなうねりがある。
そして、今度は斜め左前方から潮の流れが押し寄せる。
掻いでも掻いでも進まない。そんな感じだ。
おまけに手のひらサイズのクラゲの大群がしばらく続く。
ちょうど手のひらに収まり、まるでパドルをつけて泳いでるようだった。その感触がまだ忘れられない…。

折り返し地点、私は時計を見てびっくりしてしまった。
1時間15分も経過している。制限時間は延長されて1時間50分だが、あと35分しかない。しかし、例年、帰りは極端に早いことも過去2回の経験から知っていた私はレースを捨てずにスイムゴールを目指した。案の定、泳ぎ出すと進む、進む。
ゴール直前で大波に戻され、多少苦戦したが、まだ、スイムゴールは開いている。何とか制限時間には間に合ったらしい。
私はほっとし、シャワーを浴びかけたその時、審判員に「早く進んで手をつけ!」と怒鳴られてしまった。
スイムチェックタイムまで後1分あまりしかなかったのだ。


バイク

ほとんど、バイクの残っていないバイクラックからスタート。
スタート時点では雨は降っていなかった。海岸線は追い風で好調。
しかし、走り出して30分くらいしたころから強い雨が振り出した。
サングラスに水滴がつき視界が悪い。(勘市さんコメント) そして、下りは恐怖だ。
それにしてもトップ選手たちの下りは圧巻だ。 雨の中、どうしてあんなにスピードが出せるのか。 雨の日の山岳練習でもしているのか?見ているほうが恐ろしくなる。
雨が降ってしばらくして、急に気温が下がってきた。
十二分な脂肪を貯えた私はともかく、余分な脂肪のない大石さんには結構きつかったかもしれない。
雨とスイムでの体力消耗、去年よりやはりタイムは悪かった。


ラン

最後のラン。走り出すと思ったより脚は軽い。
例年、ランはちょうどお昼ころのスタートで、かなり暑さがきびしいが、今回は小雨という天然シャワーの中のランで比較的走りやすい条件であった。
雨のためか、沿道の応援はいつもより若干少な目だったが、それでも約2キロごとの公式エイドでは多くのスタッフの方が一生懸命アシストしてくれた。
この沿道の応援やエイドステーションの充実ぶり、また、こまめな距離表示など、いろいろと心遣いが行き届いているところは私がこの大会に毎年参加する理由の一つである。
チームでAタイプには8名参加したが、最後のランスタートとなった私にはチームメイトがどういう順番で折り返してくるか、半ば観戦気分の楽しみでもあった。
私のランの結果は過去3回中、ベストタイムであった。
(といってもレベルが低いのでタイムは書けないが)。


レース結果

総合結果は最後に記す通りだが、Bタイプにはトライアスロン今期初挑戦の石原ともちゃんが大波と 雨の大谷峠を克服して見事好成績で完走。
石原1号も久しぶりのロングでチーム2位の好成績。
夫婦で完走し、見事カップル賞を受賞した。

チームトップは最近大阪で単身生活を謳歌しているらしい束村さんが136位。
前日の夜も遅くまで国際携帯電話イリジウムで仕事をしていた国際スーパービジネスマンだ。

また、昨年インドネシア帰りで完走できなかった勘市さんが“未調整”のぶっつけ参加ながら見事復活の完走。

4週間前のエンデューロで肋骨を折った柏木さんも、骨が折れたまま、これまたチーム3位の好成績。(勘市さん コメント

さらに三原さんは44歳にしてその後に続き、300位。
しっかり飛び賞を獲得した。

というわけで今年も話題いっぱいの珠洲大会だった。
最後に応援に駆けつけてくれた小松さんファミリーと、お酒の強い石原さんの二人のフレンズ、そして、お世話になった汐嶋荘のご夫婦と若奥さん、ありがとうございました。
ちなみに、あの若奥さんは勘市さんのタイプだそうです。(『しゅうとめさんから何を言われても《あっけらかん》とした表情とそんなことに構わずによく立ち回っていたのがが印象に残っています。 (コメント 勘市さん))

応援団

(チーム員結果…カッコ内はその人が一番良かった種目の順位です)

Aタイプ

参考・優勝 松丸氏(千葉)5:20:56
準優勝 鈴木氏(愛知)5:26:42
3位 小松崎氏 5:28:01

136位 束村さん 6:41:10 (ラ ン 27位)
257位 石原さん 7:02:59 (スイム133位)
276位 柏木さん 7:07:44 (スイム 78位)
300位 三原さん 7:12:30 (スイム292位)
471位 小松さん 7:47:03 (バイク429位)
644位 藤井 8:24:54 (ラ ン497位)
689位 大石さん 8:34:11 (スイム365位)
732位 勘市さん 8:49:18 (スイム582位)

(参考…一緒に行った渡辺幸司さん)
Aタイプ244位 渡辺さん 7:00:19 (バイク 65位)

Bタイプ

296位 石原 智子 4:01:43 (スイム57位)

後藤さんコメント

おわり

inserted by FC2 system